安いカット料金の美容室と高いカット料金の美容室を現場から見て考える

こんにちは。ZACC統括柳平です。


先日カットの料金に対してお客様からご質問があったので記事にしようと思います。



カットの安いお店と高いお店、具体的に何が違うのか?




表参道は特にカット料金が高いので、ホットペッパービューティーで検索して上から順に調べてみました。

ちなみに、ホットパッパービューティーさんは高めの掲載料金をお支払いしないと検索上位には来ないので、うちのお店はいつまでたっても出てきませんでしたので、最後にとってつけました。



ホットペッパービューティーさんに掲載料金を払わずに、もっと高いカット料金でやっているお店や、もっと安いカット料金でやっているお店さんもあるかとは思いますが、ザーッと見た感覚、



高いところで7,000円台、

6,000円台が全般的に多いかな?

その次に5,000円台がちらほら

3,000円台、2,000円台は片手で数えるくらいしかなかったです。


僕のお店ではカット料金は7,560円(税込み)です。

社長は10,800円です



一般的にカットの料金とは


・家賃
・タイムコスト
・戦略

・材料費

・デザイン料


とかネットに書かれています。


確かに「そんな感じかなー」とも思いますが、17年も美容師していると「そんな簡単には言えないなー」とも思います。



・家賃


確かにいい立地にある美容室には高い美容室が多い感覚はあります。

そもそもなんで表参道なのか?

銀座線、千代田線、半蔵門線のメトロしか通っていない場所で立地そんなに良くないでしょ?

表参道ブランドってだけでわざわざ家賃そんな高いところに立てる?

て思っちゃいますよね。




以前、僕がまだ尖っていた頃に、社長に聞いたことがありました。


「もっと新宿とか渋谷とか人がいっぱい来るところにお店出した方がいいんじゃないですか?」


社長からは、


「なぜ表参道に美容室がこんなに多いか知っている?」

「元々、戦後代々木公園周辺に海外のものが流れ込んできて、1964年東京オリンピックの波に乗り栄えてきたところに、日本を代表するデザイナーやクリエイターたちがおしゃれなブランドや建築物を立てていったことから表参道が始まる。

この地域には、こだわりのある人達が集まって来る。腕に自信のある美容師達がその人たちを相手に勝負したいと集まってきたことが表参道に美容室が多い理由だよ。」

「だから、便利さよりもこだわりを取りたい。」


いつも駅から徒歩0分のところにお店立ててるのにすごい説得力だと思いました。


僕の解釈では、
表参道というこだわりの強いお客様の多い地域で、立ち上げた美容師さんたちの何処よりも良いものを提供してやるっていう意地とプライド、こだわりを求めて来るお客様を相手に長年やっていってる「信頼」「実績」「熱量」なのかなと思いました。



しかしながら、駅近のうちのお店が家賃が高いのも事実です。



・タイムコスト


美容室は、一般的、経営的によく言われているのが、10分1,000円で運営していくとなりたつ計算です。 


1,000円カットなら

10分×6人=6,000円

6,000円のカットなら

60分×1人=6,000円


↑この計算式だとまぎらわしいので、もっと分かりやすくしてみました



10分1,000円×6人

10分カット

60分6,000円×1人

10分カウンセリング

10分シャンプー

10分ブロー

20分カット

10分仕上げ、微調整


↑ざっくりですけど、べテランの美容師さんになればカットスピードも、カウンセリングの理解力もだいぶ短縮されますしお店によって時間をかける場所も変わってきます。


そしてこれは「品質」を抜いたあくまでサービス/時間の話です。


・戦略


だいたい、こんな感じのタイムコストをたたき台に自分のお店に必要なもの、要らないものを取捨選択していき価格の設定をしています。


なので、お店ごとにお客様一人ひとり必要としているものが違う


「美容室で頭洗わなくていいし、長さが短くなればどんな髪型でもいい」お客様


「流行りの髪型っぽくなれば自分で巻くしハネても大丈夫」なお客様


「髪質が難しいけどどうにか自分にフィットするように似合う髪型にしてほしい」お客様


人によって「いいお店」はそれぞれ違うのではないかと…




髪質や頭の形にフィットするようにオーダーメイドを作るには、カウンセリングが必要になるし、濡れていない毛はどんなにいいハサミを使っても、硬すぎて真っ直ぐには切れないのでまとまりづらくなります



なのでもちろんお店の方針と合わない、もしくは得意としていない可能性はあります。




カットの料金は、ファンの多い美容師さんは価格を上げることもあるため、正直「言い値」という部分もあります。

こういった、よりこだわった技術をするために「時間手間暇かかるから止むを得ず価格上げさせてもらいます」的なことから「自分売れてるからもうちょっと価格あげようっと」的なビジネス戦略まで様々なコストマネジメントが実在します。




・材料費



カットに関しては材料がかからないので経費0じゃんって思うかもしれませんが、人材という材料と仮定したら、カットできるようになる(スタイリストデビュー)までにかかる期間は一昔前で5年、今でも3年かかっているお店はカット料金が平均的に高い感じがします。

一年でデビューできるお店もありますが、カリキュラム的には恐ろしくハイペースになります

一年でデビューするためには毎月のように新しい技術をマスターしていくスキルが必要になります。


もちろん練習量とセンスによって期間の大幅なスピードアップはありますが、お店のスタンスで「技術はお客様をやりながら上達するようになっていこう」というスタンスのお店でないと難しいかもしれません。



アシスタントを雇うのに、この期間売上のないスタッフを抱えるということは、3年間で1人一ヶ月のお給料20万と仮定したら7,200,000円を売上のないスタッフに投資する事になります(もちろんカット以外のお仕事はしてもらっていますが)


そして営業時間外は先輩総出で後輩の技術指導しているのではないでしょうか?(最近は労働基準法うるさいのであくまで自主練ですが)
お店の戦略で、スタッフに早く売り上げて欲しいけど、ブランドイメージを壊さないレベルに技術力を上げたいというジレンマの落とし所を何処にするか悩みどころです。


そして育ったスタッフの引き抜きなどされたら泣くしかないです…。



デザイン料



デザインはそれこそ「言い値」です

時代に合った髪型を作るためには常に勉強が必要です。

おそらく前線で美容師をされている方たちは、穴が開くほど同じ雑誌を何度も読み、これからどんな髪型を作ったら流行るのかを常に予測し、こんなのあったら可愛いな、お客様が喜んでくれるだろうなをずっと考えています。


扱いやすいデザインにするため、毛髪科学や、薬剤知識、どう切ったらおしゃれなデザインがお家でお客様が再現できるかの勉強、実験、トレーニングをどれだけお客様に響かせるかでしょう。


最後に


お客様から見た「いいお店」は求めるものによっても変わってくると思いますが、料金はやはり結果として満足できたかのモノサシですので安いからいい、高いからいいはあまり関係ないですね。



もしクセ毛やペタンとする髪質で悩まれていたら、一度ご相談ください。



柳平岳慶|細毛、ペタンコ、くせ毛、頭の形、まとまらないなどの悩み解決美容師

このサイトはZACC 統括マネージャー柳平岳慶|悩みのある髪質などを改善することに特化した美容師のページです。

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